November 27, 2005

◇フィリピンの大統領

 本日のタイトルは一見堅そうですが、昨日も書いたように、政治には全くうとい私です。よって政治的事実からはまったくかけはなれた、別の角度からみた大統領のお話です、アシカラズ。
           ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 数日前にTVでフィリピンについての報道がありました。 
新100ペソ紙幣に、GLORIA MACAPAGAL ARROYO (グロリア・マカパガル・アロヨ)現大統領の名前が誤ったスペルで印刷されたものがあり、既に流通しているとか。
わざわざ、ヨーロッパの某国に依頼して印刷したそうですが。

物好きな私は、早速インターネットで詳細を調べてみました。
100ペソ紙幣の表、第5代大統領 MANUEL ROXAS の肖像の右、SANDAANG PISO (100ペソ)の文字の上に大統領の署名があります。 その署名の下に名前が活字体で印刷されているのですが、ARROYO ではなく、 ARROVO とミスプリントされていたそうです。

本当に物好きな私は、今フィリピン用財布の中をチェックしたところです。残念ながら(いや、ラッキーにも)、5枚ある100ペソ紙幣はすべて正しいスペルが印刷されたものでした。

当のご本人、アロヨ大統領の心中はいかに?  気の強いフィリピーナのこと、大統領もあの小柄なお身体で、怒りを表されているのでしょうか? あるいは、良家の出らしくさらっと流されたのか?
《第14代フィリピン大統領、グロリア・マカパガル・アロヨ大統領は、クリントン前アメリカ合衆国大統領のご学友だそうです。そしてお父上は第9代フィリピン大統領、DIOSDADO MACAPAGAL (ディオスダード・マカパガル)。》
100ペソ紙幣をチェックしていて、気がつきました。 200ペソ紙幣の肖像画は、第9代ディオスダード・マカパガル大統領のものでした。当然ここにも娘であり、現大統領の署名と名前が印刷されています。

             ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

大統領といえば、前エストラーダ大統領にはジョークや、よからぬ噂がつきものでした。 だいたいフィリピンという国は(私にとってですが)面白い国で、「何でもありぃ??? 笑うしかないな」と思う事しばしばです。
ERAP (エラップ)の愛称で親しまれた(?)第13代 JOSEPH ESTRADA (ジョセフ・エストラーダ)大統領は、元映画のアクションスター。
1998年の大統領選で大勝利を収めながら3年後に違法賭博の収賄疑惑で解任され、挙句のはてに特別横領罪等で刑務所入り。
ここで面白いのが、フィリピン。なんと、逮捕された前エストラーダ大統領を現アロヨ大統領が訪問し、刑務所内で2人がカメラを前に握手をしている。そのシーンをTV や新聞で見た私は、「出た、何でもありのフィリピン!」とまた笑ってしまったのでした。

何故 ERAP が政界入りしたのか、よく知りませんが、大統領になるずっと以前から彼に関するジョークは、フィリピン人の間では当たり前。お酒の席では、彼に関するジョークで盛り上がっていた事を覚えています。

大統領になってからも、そのジョークは止むことはなく、どちらかといえばエスカレートする一方。 なんと”JOKE NI ERAP (ジョーク・二・エラップ =「エラップのジョーク」)”という本まで出版されてしまいました。

BOOK ERAP 
JOKE NI ERAP (ISBN: 971 8686 25 8)
- PHILIPPINE CENTER FOR INVESTIGATIVE JOURNALISM

ジョークはほぼ、ERAP のIQに関連することばかり。(特に英語が不得意であること)
「いくらなんでも現大統領よぉ、いいの???」と当時は思ったものですが、読んでいると面白く、笑いがもれてしまいます。

しかし、フィリピンも平和になりました。 こんなこと(大統領の悪口やジョークを口にする)を公にできるようになったのですから。 マルコス時代ならどんな罰が待っていたことやら・・・・。

ERAP のジョークをいくつか抜粋します。 見たい方は、こちらをどうぞ。→
JOKE NI ERAP (ISBN: 971 8686 25 8) - PHILIPPINE CENTER FOR INVESTIGATIVE JOURNALISM より:

1.瓶入りSAN MIGUEL(サンミゲール)ビールとERAP の共通点は何?
  答え: 両方とも首から上がカラッぽ

2.ERAP が6ヶ月かけてジグソーパズルを完成してそれを誇りにしてるのは何故?
  答え: 箱に " 2 TO 4 YEARS(2年から4年用)" と書いてあるから(=2−4歳用)

3.何故 ERAP が VOLKSWAGEN(フォルクスワーゲン)より BMW が好きか知ってる?
  答え: 少なくても BMW のスペルは綴れるから。

4.〔大統領選に出るという ERAP に選挙管理委員会がIQを試すためにした質問、という設定〕

選挙管理委員会:「フィリピンのナショナルフラワー(国花)は?」(SAMPAGUITA=サンパギータ)

俳優仲間 : 「アルファベットのSで始まるよ」

ERAP: 「SUNFLOWER ? (ひまわり)」

委員会:「ちがいます」

俳優仲間 : 「エラップ、道端で売ってるじゃないか。」

ERAP:「STORK? (ストーク=フィリピンのキャンディー。道端でばら売りしている)」

俳優仲間 : 「エラップ、BULAKLAK (ブラクラク=花) って言ってるじゃないか」

ERAP:「あー、SITSARONG BULAKLAK だ。(チチャロン・ブラクラク=豚の腸を揚げたおつまみ。花のように形に見えることからこの名がついた)」

俳優仲間 :「もうひとつヒントを出すよ、最後はAで終わる」

ERAP:「SITSARONG BULAKLAK NA MAY SUKA(酢付チチャロン・ブラクラク)? 」(SUKA=酢。 酢付チチャロン・ブラクラク=通常酢をつけて食べるので、容器に入れた酢がついてくる)

委員会:「ちがいます」

俳優仲間 :「これが最後のヒントだよ、同じ名の歌手がいるじゃないか。いいかい、Sではじまり、Aで終わるんだよ」

ERAP:「SHARON CUNETA!」(シャロン・クネタ=超有名なフィリピン女性シンガー)


★☆★ とっても、マイナーな話題ですみません。★☆★
お詫びに、チチャロン・ブラクラクの写真でも chicharon


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この記事へのコメント
ハラナさん、初めて書き込ませて頂きます。

お札に現職の大統領の肖像は好ましく有りません。人気が下降気味なので巻き返しでしょうか。
フィリピンですから何でも有り?

私の好きなマニラのLRTのキップも必ず大統領の肖像が付き物です。
エラップからアロヨに替わった時あわててエラップキップを買いました。大統領が変わる事にキップが変わるので大統領選から目が離せません。

お札にエラーが有るなら、キップにも当然エラーが有りました。何と一駅書き忘れた路線図がデザインされてました。
人様の間違いを言う前に自分の書いた路線図に数箇所のスペルミスを指摘されました。(汗)
Posted by マーシー at November 28, 2005 20:45
マーシーさん、コメントありがとうございます。
大統領が変わるたびにLRTの切符がかわる、それゆえ大統領選から目がはなせない、・・・・わかります。
フィリピンにミュージシャンの友人がいますが、彼らが恐れている事は、
政権が変わる、イコール自分達の仕事が左右されること。
比較的名のしれたミュージシャンは、個人的なパーティー(結婚式や誕生日)や政府主催のオフィシャルのイベントに呼ばれることしばしば。でもそれも結構癒着があるのです。
親しくしている政治家が、そのまま新政権に残れるならば、ミュージシャンも安泰。でも選挙に負けると、負けた政治家に関係してるミュージシャンの出番もなくなるのだそうです。
Posted by harana at November 29, 2005 03:26
ハラナさん、比較的名のしれたミュージシャンでも政権交代で仕事が左右されるのは悲しいですね。人気より政治家との癒着度で出番が決まるのはフィリピンの伝統でしょう。

ついでながら、私がフィリピンでお目にかかった唯一のミュージシャンはJose Mari Chanです。恐らく30年以上活躍してると思います。船会社やフィリピン航空のコマソンを作詞作曲してるそうです。
彼位なら政権に左右される事は無いでしょう。ネグロスで幾つかの製糖工場を持ってます。
彼は昔大阪に住んでいたそうで、私がヨコハマの住民だと言うと「ブルーライトヨコハマ」を口ずさんでくれました。お目にかかった時彼を全く知りませんでした、気さくな方で彼自身が飲み物を注いでくれました。良い思いでです。

Posted by マーシー at November 29, 2005 21:32
へぇー、そうですか、Jose Mari Chan はここ大阪に住んでいたことがあるのですか。

日本に住んでいたことがある有名フィリピン人って、結構いますよね、歴史上の人物にも。フィリピンの英雄 JOSE RIZAL も《おせいさん》と恋に落ちたりして。

私は、このERAP のジョークの最後に登場したSHARON CUNETA がまだ若かりし頃、東京行きの飛行機を待つ彼女とマニラ空港で会ったことがあります。 マラカニアンが初めて国民に開放されて数日後でした。ミーハーな私は、彼女と並んで写真を撮ってもらいました。 これもいい思い出です。
Posted by harana at November 29, 2005 22:04
harana さん マーシーさんのホームページから 初めて訪問させていただきました。

また わざわざ 訪問して頂きまして有り難う御座います。

これからも宜しくお願いいたします。

Posted by キットBOX at November 30, 2005 18:56
フィリピンBlogサーチ登録ありがとうございました。
処理が遅れてすみませんでした、よろしくおねがいします。

チッチャロン久しぶりにみたな(w
Posted by ぷらぴー at December 01, 2005 15:16
5
はじめまして。オーストラリアのシドニーにすんでいる新木です。
ホセマリーチャンの名前を見かけたので思わず投稿してしまいました。

彼とは1970年の中ごろ新婚旅行中に半年ほど大阪の箕面に住んでいたころに出会いました。彼の新婚旅行はヨーロッパを半年かけてまわりそして後半は新婦マリアンが前に英語を教えていた被昇天女学院で英語と音楽を教えながら暮らしたようです。

デビューしたのが67年か68年ですからもうすぐ40周年になるんですね。

先月、30年ぶりにマニラを訪れて彼と彼の家族と再会してきました。36年前とまったく変わらない笑顔で迎えてくれてマカティの会員制のレストランに招待してくれました。

彼の永遠のヒット曲「Deep in My herat」から数々のヒットを生み出しています。日本でもフアンが増えるといいですね。

新木

Posted by あらき かずひろ at June 29, 2006 10:07
あらきさま、
シドニーからようこそ。

日本でもOPMは結構人気がありますが、やはり若い人たちは、同年代のアーティストを好むようで。
当ブログでも 頻繁にSOUTH BORDER で検索して来られる方が多いです。
悲しいかなAPO やJose Mari Chanでの検索は少ないんですよ。名曲がたくさんあるのに、あまり知られてないってことでしょうかね。




Posted by harana at June 29, 2006 16:37