February 05, 2006
◇フィリピンの国民的作家
フィリピンの国民的文筆家、NICK JOAQUIN(ニック・ホアキン)氏の著書が翻訳され、出版されました。
大変貴重で、興味深い一冊であるはず。
■物語 マニラの歴史
ニック・ホアキン著 宮本靖介監訳 橋本信彦、澤田公伸訳
出版社: 明石書店 / ISBN: 4750322377
《出版社キャプション》
「フィリピンの首都マニラは、スペイン・アメリカ・日本という列強帝国主義の支配を長い年月被ってきた。そのマニラの街の、そしてそこに住む人々の苦悩や喜びの歴史を、自らの揺籃の地マニラにたいする深い愛情をこめて、フィリピンの国民的作家ニック・ホアキンが余すところなく伝える。マニラの歴史と風情を伝えるイラストを多数掲載。18世紀のマニラ古地図、その他詳細なマニラ関連年表など多数の資料を付す。」
* * * * * * *
この本の原書は、 "MANILA MY MANILA"。1988年、当時のマニラ市長代理 GEMILIANO LOPEZ (へミリアーノ・ロペス)氏が、マニラ在住の若者が市民意識と誇り、そして郷土愛をいだく事を願い、国民的文筆家であるニック・ホアキン氏に執筆を依頼したものだそうです。
翻訳作業は2002年春より始まり、2005年秋までの3年半の年月が費やされ、ニック・ホアキン氏もこの日本語版刊行を楽しみにされていたにもかかわらず、2004年4月29日惜しくも他界されたとのことです。
彼の名前は、フィリピン現地のネット上、特に書籍関係のサイトでは度々目にしていましたが、他界されたということは、今回の「物語 マニラの歴史」の出版により初めて知りました。
彼の作品は、日本では小説「二つのヘソを持った女
(THE WOMAN WHO HAD TWO NAVELS)」が知られいるのではないかと思います。
この「二つのヘソを持った女」は、ハリー・ストーンヒル文学賞受賞作品ですが、彼は他にも文学・ジャーナリズムの両文野において権威ある賞を数々受賞しています。
彼の原書そのものは読んだことがありませんが、幸運にも私が所有する、「フィリピン料理・食文化」に関するエッセイ集、「KUSINA(LARAWAN BOOKS発行・1991年)」には彼のエッセイ、"FASHIONS IN FOOD"が収められています。
1920年代、1930年代、・・・ 1970年代と、各年代毎に評判になった当時の食文化が語られたものです。
もうこの本は店頭には並んでいないでしょうが、(当然 AMAZON では買えません。)彼のエッセイ、"FASHIONS IN FOOD"は、《フィリピン料理》の研究を始めた頃の私は、何度も読み返したものでした。
今もなお、時折このページを開いてみることは、言うまでもありません。
たった6ページのエッセイですが、今となっては大変貴重な作品となってしまいました。
* * * * * * *
「物語 マニラの歴史」、また《新年、フィリピンを読む》と題した「読んでみたい本・読み直してみたい本」のリストに仲間入りです。
内容はこちら ▼
大変貴重で、興味深い一冊であるはず。

ニック・ホアキン著 宮本靖介監訳 橋本信彦、澤田公伸訳
出版社: 明石書店 / ISBN: 4750322377
《出版社キャプション》
「フィリピンの首都マニラは、スペイン・アメリカ・日本という列強帝国主義の支配を長い年月被ってきた。そのマニラの街の、そしてそこに住む人々の苦悩や喜びの歴史を、自らの揺籃の地マニラにたいする深い愛情をこめて、フィリピンの国民的作家ニック・ホアキンが余すところなく伝える。マニラの歴史と風情を伝えるイラストを多数掲載。18世紀のマニラ古地図、その他詳細なマニラ関連年表など多数の資料を付す。」
* * * * * * *
この本の原書は、 "MANILA MY MANILA"。1988年、当時のマニラ市長代理 GEMILIANO LOPEZ (へミリアーノ・ロペス)氏が、マニラ在住の若者が市民意識と誇り、そして郷土愛をいだく事を願い、国民的文筆家であるニック・ホアキン氏に執筆を依頼したものだそうです。
翻訳作業は2002年春より始まり、2005年秋までの3年半の年月が費やされ、ニック・ホアキン氏もこの日本語版刊行を楽しみにされていたにもかかわらず、2004年4月29日惜しくも他界されたとのことです。
彼の名前は、フィリピン現地のネット上、特に書籍関係のサイトでは度々目にしていましたが、他界されたということは、今回の「物語 マニラの歴史」の出版により初めて知りました。
彼の作品は、日本では小説「二つのヘソを持った女
この「二つのヘソを持った女」は、ハリー・ストーンヒル文学賞受賞作品ですが、彼は他にも文学・ジャーナリズムの両文野において権威ある賞を数々受賞しています。

彼の原書そのものは読んだことがありませんが、幸運にも私が所有する、「フィリピン料理・食文化」に関するエッセイ集、「KUSINA(LARAWAN BOOKS発行・1991年)」には彼のエッセイ、"FASHIONS IN FOOD"が収められています。
1920年代、1930年代、・・・ 1970年代と、各年代毎に評判になった当時の食文化が語られたものです。

もうこの本は店頭には並んでいないでしょうが、(当然 AMAZON では買えません。)彼のエッセイ、"FASHIONS IN FOOD"は、《フィリピン料理》の研究を始めた頃の私は、何度も読み返したものでした。
今もなお、時折このページを開いてみることは、言うまでもありません。
たった6ページのエッセイですが、今となっては大変貴重な作品となってしまいました。
* * * * * * *
「物語 マニラの歴史」、また《新年、フィリピンを読む》と題した「読んでみたい本・読み直してみたい本」のリストに仲間入りです。
内容はこちら ▼
◆内容構成
日本語版への序文:−− 二つのマニラとニック・ホアキン/ビエンベニード・ルンベラ
ニーラッド−− 「マイ・ニーラ」という言葉
序文:アンドレス・クリストバル・クルス
読者に
地図 一八世紀のマニラ市街図
現在のマニラ市街図
現在のマニラ近郊図
1 出現の時
1 地盤の形成
2 流浪の祖先
3 帝権と統治
4 ソリマン対白人
5 聖ポテンシアナからペンテコステへ
6 「名高く信仰にあつい」
7 甚大な災難
8 僧服をまとった英雄たち
9 最初の国際ビジネス
10 イントラムロス
2 帝国の日々
1 セレスティアルの町パリアン
2 日本人町(ニッポニーズ)サン・ミゲル
3 サンレイの反乱
4 大混乱
5 オランダ人を阻止する
6 パラシオ・デル・ゴベルナドール
7 祝福された人の都市
8 マニラ・エストラムロス
9 帝国の太陽が沈む
10 基幹施設の整備
11 世紀の変わり目
3 革命の時代
1 始まりと終わり
2 一九世紀の初頭
3 学生運動と民衆パワー
4 世紀中葉
5 七二年のモティン(暴動)
6 リサールのマニラ
7 ボニファシオのマニラ
8 革命
9 三度目の陥落
10 もう一つの「反乱」
4 再臨の時代
1 拡大した都市
2 草分けとなったマニラの教師
3 旦那様と奥様に愛を込めて
4 保健衛生
5 消防士
6 「帝国の日々」
7 あれやこれや(オール・ザット・ジャズ)
8 「平時(ピースタイム)」
9 「通常どおり営業」
10 行動開始、月曜日
11 「非武装都市」
5 都市の解放
1 苛酷な歳月
2 アメリカ人(グリンゴ)が戻ってくる
3 イントラムロスの攻防戦
4 第三次共和国の始まり
5 自治都市へ
6 最初の二人の市長
7 モッズからデモへ
8 辺獄での滞在
9 月曜日と火曜日
結びにかえて
参考文献
監訳者あとがき●宮本靖介
マニラ関連年表
人名索引
事項索引
日本語版への序文:−− 二つのマニラとニック・ホアキン/ビエンベニード・ルンベラ
ニーラッド−− 「マイ・ニーラ」という言葉
序文:アンドレス・クリストバル・クルス
読者に
地図 一八世紀のマニラ市街図
現在のマニラ市街図
現在のマニラ近郊図
1 出現の時
1 地盤の形成
2 流浪の祖先
3 帝権と統治
4 ソリマン対白人
5 聖ポテンシアナからペンテコステへ
6 「名高く信仰にあつい」
7 甚大な災難
8 僧服をまとった英雄たち
9 最初の国際ビジネス
10 イントラムロス
2 帝国の日々
1 セレスティアルの町パリアン
2 日本人町(ニッポニーズ)サン・ミゲル
3 サンレイの反乱
4 大混乱
5 オランダ人を阻止する
6 パラシオ・デル・ゴベルナドール
7 祝福された人の都市
8 マニラ・エストラムロス
9 帝国の太陽が沈む
10 基幹施設の整備
11 世紀の変わり目
3 革命の時代
1 始まりと終わり
2 一九世紀の初頭
3 学生運動と民衆パワー
4 世紀中葉
5 七二年のモティン(暴動)
6 リサールのマニラ
7 ボニファシオのマニラ
8 革命
9 三度目の陥落
10 もう一つの「反乱」
4 再臨の時代
1 拡大した都市
2 草分けとなったマニラの教師
3 旦那様と奥様に愛を込めて
4 保健衛生
5 消防士
6 「帝国の日々」
7 あれやこれや(オール・ザット・ジャズ)
8 「平時(ピースタイム)」
9 「通常どおり営業」
10 行動開始、月曜日
11 「非武装都市」
5 都市の解放
1 苛酷な歳月
2 アメリカ人(グリンゴ)が戻ってくる
3 イントラムロスの攻防戦
4 第三次共和国の始まり
5 自治都市へ
6 最初の二人の市長
7 モッズからデモへ
8 辺獄での滞在
9 月曜日と火曜日
結びにかえて
参考文献
監訳者あとがき●宮本靖介
マニラ関連年表
人名索引
事項索引
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この記事へのコメント
これはいい本を紹介していただきました。
早速ショッピングカートに入れてきました。
少し高いですが^^ それだけの価値のある本かなと
予想しております。
情報ありがとうございました。
早速ショッピングカートに入れてきました。
少し高いですが^^ それだけの価値のある本かなと
予想しております。
情報ありがとうございました。
Posted by keen at February 06, 2006 12:10
keen さん、 又々コメントありがとうございます。
お役に立てて光栄です。
確かに、「少し」どころか、「結構高い」ですよね〜。
でも、こういう類の本が日本語で出版されるということが少ないので、
おっしゃる通り、それだけの価値はあると思います。
私も、即ショッピングカートに入れちゃいました。
次回もお楽しみに!
お役に立てて光栄です。
確かに、「少し」どころか、「結構高い」ですよね〜。
でも、こういう類の本が日本語で出版されるということが少ないので、
おっしゃる通り、それだけの価値はあると思います。
私も、即ショッピングカートに入れちゃいました。
次回もお楽しみに!
Posted by harana at February 06, 2006 12:50