October 01, 2006

◇フィリピンのファブリック、”ピーニャ” を描く画家

CALADO JUSI
《◇フィリピンの エンブロイダリー (刺繍)》に記載したように、フィリピン刺繍の特徴は、伝統的ファブリック、PIÑA(ピーニャ)や JUSI(フーシ)に施されるCALADO(カラド)と呼ばれる技法。

布の縦糸や横糸を部分的に抜き取り、残った織り糸をかがったり束ねたりすることで、透かし模様を表現する、時間と忍耐を要する高度な技術です。

ピーニャに伝統的刺繍を施したウエディングベールは、注文してから完成までに2ヶ月もかかるとか。
   《写真はJUSI(フーシ)》
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ピーニャを織ることも、CALADO 刺繍も想像を絶する緻密な作業ですが、特にピーニャに施された CALADO 刺繍を作品のテーマとしてを描き続ける、著名なフィリピン人画家がおられます。

Araceli Limcaco Dans (1929年生まれ)
学生時代には、すでにファッションマガジンのイラストで収入を得ていたという女史は、これまでに,数々の賞を受賞されています。最近では、
 ・2005年 Pama-As,Gintong Bai Award
 ・2002年 Top 5 Water Colorists for 2002
 ・1999年 Centennial Award - 100 Artists

これまでの作品をできるだけ拝見したいなぁ、と思い、メガモールのギャラリー巡りでもして探してみようかと計画していた矢先、National Bookstore で一番上の棚にディスプレイされている本の表紙に目が止まり・・・
「ピーニャだ!」その瞬間、お店のお兄さんに「あれ取って!」と興奮気味で叫んでいたのでした。
それは偶然にも、出版されて間もない彼女の作品集だったのです。

BOOK DANS■ARACELI LIMCACO DANS
 Equitable PCI Bank, Inc. 発行
 ISBN: 971-93498-0-8
 2,200 ペソ

ピーニャやフーシのハンカチーフ、ベール、Panuelo(パヌエロ=スカーフ)、Camisa(カミサ=ブラウス)などをモチーフに描いた134作品が収められています。

かなり大きいサイズの本で、見ごたえがあります。(このサイズを表す特別な呼び名があるかもしれませんが、測ってみたところ 28 x 36 cm でした。)


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BOOK DANS2
左:作品集 ARACELI LIMCACO DANS の裏表紙
右:多目的カード(3種)セット
  
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CALADO 刺繍と CALADO を描く、どちらが大変だろう?
考えただけで、気が遠くなりそう。
いずれにしても、私には真似のできない芸当。無理度 は200% 以上です。
ただただ敬服するばかり。

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