January 23, 2007

◇フィリピンの ”町・村おこし(?)”プロジェクト

7,107 もの島々から成るフィリピンは、北部山岳地帯から、一見孤島のように見える南の島々にいたるまで、農作物、海産物、植物、それらの加工食品、手工芸品・・・と、地域ごとにそれぞれ特色のある産物を有しています。

フィリピン全土で、各地域内の企業家活動を奨励し、住民の雇用、収入を生み出すため、特産品をPRしようとする一種の町・村おこし政策が進められています。

この政策は、”OTOP(ONE TOWN, ONE PRODUCT)PHILIPPINES ”と称され、つまり「一町に一特産品」を国内外の市場にアピールしようというもので、 PGMA(Pres. Gloria Macapagal Arroyo=アロヨ大統領)が率先して推し進める優先的プロジェクトなのだそうです。
そのせいか、DTI(Department of Trade and Industry=貿易産業省)は ”OTOP”の公式サイトを立ち上げたり、リーフレットの発行を行ったりと、このプロジェクトに対する意欲的な取り組み方がうかがえます。

下は、DTI発行のリーフレットの一部です。
OTOP


画像をクリックすると、各地方のリーフレットの中身が見えるようにするつもりでスキャンしたのですが、全地方のリーフレットがあるわけではないし、それよりも公式サイトにリンクしたほうが早いかも、と思い予定変更です。
興味のある方は、下記の公式サイトをご覧ください。
トップページ
・Browse by region : 17に分けられた地方の情報を見ることができます。州名、タウン名をクリックしていくと、特産品をはじめ、その町の詳細が表示されます(一部、未完成です。)

(DTI さん、勝手にリーフレットをスキャンしましたが、これでも PR のお役に立つかもしれませんので、大目にみてください!)

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さて、前回はアクラン州の AKLAN QUALITY SEAL について書きました。
アクラン州の州都である Kalibo(カリボ)の主たる特産品は言わずとしれた、世界に誇る PIÑA (ピーニャ)。
ピーニャの産地認定をする登録商標シールが承認されたということは、OTOPプロジェクト上、大いにプラスになる事実であり、お手本となるモデルケースであると言えるでしょう。

また、産地認定の登録商標を取得するということは、地域特産品をブランド化することであり、海外への製品輸出においても有益であることは間違いありません。
産地認定について調べてみると、アクラン州の AKLAN QUALITY SEAL 以外にも特産品をブランド化するための登録商標を申請している地域がありました。例えば;
Pampanga の ”Vida Pampanga”−加工食品等
BataanGaling Bataan −加工食品等
BulakanTatak Bulakeno −加工食品(菓子)等
Camarines Sur Pansit Bato - 麺。Bato(バト)はタウン名。(タガログ語の「石」ではありません。)
など。

フィリピンでは(日本に住むフィリピン人も)、初めて会った人同士が出身地を尋ね合っている場面をよく目にします。
同郷だとわかると、そこからまたおしゃべりが進みます。
知り合ったフィリピン人の故郷の OTOP を知っていれば、これもまたおしゃべりがはずむかもしれませんね。
そして、フィリピン国内を旅行する際、訪れる土地の OTOP を知っておくと、より興味深い旅ができるかもしれません。