April 02, 2007
◇在米フィリピン人の食卓
世界的には知名度がと〜っても低いフィリピン料理ですが、フィリピン人口が多いからか、在米フィリピン人を著者とするフィリピン料理のレシピブックはアメリカで結構出版されています。(悲しいかな、料理写真、印刷、紙質等の点から、本国出版のものよりもずっと出来がいいという印象があります。)
Trabaho(トラバホ=働きに)に行っているフィリピン人も、一家そろって移住しているフィリピン人も、海外在住の人たちはお国の料理が恋しいことでしょう。
とにかくアメリカに住むフィリピン人口が多いことは事実。
フィリピン人コミュニティーも活動的だろうし、食材の入手もそれほど困難ではないはず。
在米フィリピン人、あるいはフィリピン系アメリカ人の食卓が気になるところです。
これまでもフィリピン料理のレシピブックは幾つか紹介していますが、両親がアメリカに移住し、アメリカで生まれ育ったというフィリピーナによって書かれたレシピブックが昨年発行されていました。(日本のAmazon でも扱っています)
■The Filipino American Kitchen: Traditional Recipes, Contemporary Flavors
著者:Jennifer M. Aranas
出版社: Tuttle Pub (2006/11/15)
言語:英語
ISBN-10: 0804838364
ISBN-13: 978-0804838368
ハードカバー: 175ページ
この本の著者は、英語とビサヤ語で育ち、家庭の食卓には本国同様フィリピン料理の数々が並んでいたそうです。
掲載されている料理写真を見ていると、著者の柔軟性がうかがえます。これも、彼女がアメリカ生まれということからなのでしょうか?
一見、フィリピン料理とは思えないのですが、よくよく見てみると、伝統的フィリピン料理の調理法であり、食材と盛り付け方をちょっと変えただけでまったく別の料理に見えてしまう一品だとか、フィリピンのお決まりの器を使用していないことによってイメージが一新された一品だとか・・・。
それでいて、巻末にはかなり詳しくフィリピン食材を解説するページが設けられています。
ところで、海外に住むフィリピン人にとって、母国料理のインスタントミックスはとっても便利なもの。
今では世界中に輸出されている、”MAMA SITA ”ブランドのインスタントミックスが生まれたのは、マニラのランドマーク、”レストラン Aristcrat ”の創設者 Engracia “Aling Asiang”Cruz-Reyes の娘 Teresita “Mama Sita” Reyes がアメリカに住む親戚を訪ねたことから。
若い世代のフィリピン人が、ハンバーガー等のファーストフードに慣れてしまい、母国の味を忘れつつあるのを痛感し、海外にいながらも手軽にフィリピン料理が味わえるように、と思いついたのがインスタントミックスの始まりなのだそうです。
最近では、Amazon.com (米国)までも MAMA SITA のインスタントミックスを扱っています。 さすがに一歩進んだアメリカ! いえ、フィリピン人が多いからでしょうね。
つい 先日紹介した この本、■Memories of Philippine Kitchens: Stories and Recipes from Far and Near本のタイトルのように、フィリピンでの食にまつわる回想録のようにも思えますが、シェフであるご主人のアイデアいっぱいのフィリピン料理のレシピも満載されていて、母国の食生活を意識しながら、どんな状況下でもその場に応じた独自のアイデアが発揮できるフィリピン人のたくましさを感じます。
が、この本を何度か読み(見?)返しているうちに、もしかしたらこの本は古きよき時代のフィリピン食文化を語る最後の証ではないか、という気がしています。
ここ数年(特にこの1−2年)、フィリピンの外食産業は目覚しく変貌を遂げています。
外国料理レストランのクオリティーがこれまで以上にぐっと向上し、もてはやされ、伝統的食文化が影をひそめつつあります。
かつて、Teresita “Mama Sita” Reyes がアメリカで味わった事実がこの国自体で起ころうとしているかもしれません。
それを思うと、長い間母国を離れ浦島太郎状態になっている在米フィリピン人の心にこそ古きよき時代のフィリピン食文化が宿っているのかも・・・・。











































