September 15, 2009
◇ 在比外国人の 「フィリピン "食" 指南」
《 The Calamansi Cook Book 》
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Calamansi / Kalamansi (カラマンシー) は、スダチやシークワサーに似た、フィリピンではポピュラーな柑橘類。 ジュースとするのはもとより、その果汁を Arroz Caldo (アロス・カルド=お粥)、Pancit (パンシット=麺類)、焼き魚、揚げ物など出来上がった料理に絞ったり、また料理の下味付けに、レモンのように紅茶に添えたり、と様々な料理や飲み物に威力を発揮します。 食事で汚れた指先も、搾りカスでふき取ればいやな臭いまでぬぐい取ってくれます。 その小さい姿からは想像できないくらいフィリピンの食生活には欠かせない、利用頻度の高い植物です。
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さて、そのカラマンシーをタイトルにした、"The Calamansi Cook Book" という本が出版されました。 このタイトルを見た時は、てっきりカラマンシーを使ったお料理のレシピブックだと思いました。 が、実はマニラ駐在ドイツ人による、在比外国人のための食ガイドブックでした。
UP (フィリピン大学 )の Film Institute で教鞭をとる著者は、来比してまもなく知識不足のために味わうこととなった苦い経験をきっかけに、違った食文化を持つ異国フィリピンで、十分満足した食生活を送るための様々なコツを見出したようです。
この本では、本人の体験談を交え、また入手できる食材を使った普段食卓に登場する料理レシピも披露しながら、この国で外国人がいかに上手く食生活を送っていけるか、その術(スベ)を伝授しています。 もちろん、フィリピンの伝統的料理、食文化についての解説もふんだんに盛り込まれています。 当然カラマンシーは、何度もレシピに登場します。
食材別、料理別に解説された章と、あとこんな(↓)のも。 イラストも可愛い。
「フィリピンで上手に食生活を送るには」
「これは家庭で作ってみようなんて思わないで!」
味わい深くヘルシー、チープで使い道が多いカラマンシー。 小さいながら、驚くべきパワーを持つこの植物が、正にフィリピン! と、この辺りがタイトルになった所以のようです。
■The Calamansi Cook Book
An Expat's Guide to Eating Well
in the Philippines
By Tilman Baumgärtel
Anvil Publishing, Inc. (2009)
ISBN: 97127-21786
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