August 16, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 8 埋もれた教会 ]


San Guillermo 1

《 Celebrating the Flores de Mayo @San Guillermo Parish Church 》


*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*



Angeles で地味ながらも美味な Halo-Halo をいただくと、

Pampanga フード・ツアーもいよいよ終盤に。 

マニラへの帰途、Bacolor に立ち寄りました。 



ここでのお目当ては、レストランでも、カフェでもなく、


San Guillermo 2


1576年に建てられた San Guillermo(サン・ギレルモ)教会。 


観光スポットなんだそうです。

単に古いからではありません。


なぜなら・・・、ちょっと珍しい教会なので。



San Guillermo 4


青空にそびえ立つベルタワー、と言いたいところですが、

手前の人物と比べると、やけに低いような・・・





聖堂への入り口はというと、


San Guillermo 3


こちらもなんだかバランスが悪いような・・・



実は、この入り口は、かつては「二階の窓」。


まだ記憶に新しい 1991年の Pinatubo(ピナツボ)火山

大噴火で、建物の高さ約半分(約 12 m)が流れ出た大量の

Lahar (ラハール=火山灰) に埋めつくされてしまったのです。





中に入ってみました。


San Guillermo 5


なるほど、教会には珍しく天井が低いです。 



San Guillermo 6


一階にしては不自然な位置に装飾や出入り口があるのも、仕方ありません。





横の門から外に出て、裏手にまわってみました。



San Guillermo 7


窓の半分以上が埋もれたまま。

噴火の激しさを物語っています。



こんなことで観光スポットになってしまうとは、

皮肉なものですが、人が集まるところに屋台あり。


フード・ツアーの目的地となった所以です。



tamales


ガレオン貿易を通してメキシコから伝わったと思われる

Tamales (タマレス) は、肉やゆで卵の具と挽いた米を

バナナの葉で包んで蒸したもの。 独自の改良がなされ、

今では Pampanga を代表する名物料理のひとつです。



San Guillermo 8


チマキによく似た Suman (スマン) をはじめ、伝統的な

おやつを売る屋台が、教会の周りを取り囲んでいました。

さすがにもう、食べたいという欲求は起こりませんでしたが。



例によって与えられた見学時間は、ここでも大幅に超過。

マニラへ戻るべくやっと出発したバスの中、「で、いったい

マニラには何時に着くのよ?」 とガイドさんに聞いたのが

プレッシャーになったのか、予定では途中 San Fernando

立ち寄るはずがキャンセル。それも何のアナウンスも無く(笑)


最終目的地となるはずだったのは、肉加工品の製造工場で、

Tocino(トシーノ=P風ベーコン) や Longaniza(ロンガニーサ

=P風ソーセージ)の製造工程見学。 ちょっと残念だったかも。 

でも考えようによっては、苦手な物を見なくて済んでよかったかも。 




これにて Pampanga フード・トリップは「完」です。

長い間、お付き合いありがとうございました。お疲れ様!




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Posted by harana at 10:26Comments(2)

August 11, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 7 地味〜な HALO-HALO ]


corazon 1


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Bale Dutungランチ では、デザートまでしっかりいただいたというのに、Pampanga フードトリップはまだ終わることなく、次なる目的地へ。 

ただし、早朝マニラを出発した時点から、途中のCR(トイレ)休憩も含め、立ち寄った先々でフィリピンタイムモードが炸裂し続けていたため、この頃にはかなり時間が押し押し。 そんな訳で、ガイドさんから言い渡された次の地点での滞在可能時間は、たったの10分間!(明らかに不可能なのに、真面目な顔で言ってるんだから笑えてきます。 ここでの予定時間もオーバーしたことは、言うまでもありません。)




corazon 2


どう見たって "フツー" の住宅街。





corazon 3


どう見たって "フツー" のゲートから中に入ると、

そこは Halo-Halo パーラーでした。





corazon 4


えええっ〜! これが Halo-Halo !? 


カラフルな Halo-Halo のイメージからはかけ離れて、かなり地味! 見慣れた Ube (ウベ=紫芋) ジャムの紫色も、着色された Kaon (カオン=サトウヤシの実) の緑や赤も見当たりません。 トッピングのアイスクリームスクープも、Leche Flan (レチェフラン=カスタード・プディング) も見当たりません。

日本のかき氷の種類で言えば、「みぞれ」とあまり変わらないみたいな。 具は結構入っているようですが、すべてが白+ベージュ系といった色目なので何が何やら見分けがつきません。 何分、許された滞在時間はたったの10分間(予定)。 お店の人にじっくり訊ねるひまもなく、帰国してからネットであちらこちら検索したとろ、白っぽい具の正体は、Saba (サバ=料理用バナナ)、白いんげん豆、Kundol (クンドール=冬瓜)、Macapuno (マカプノ=柔らかいココナッツの果肉) などを甘く煮たもの、コーン、ミルク、かき氷。 Halo-Halo というより、 "Halo" くらい?

とてもシンプルな Halo-Halo ですが、Pampanga では有名なお店だそうです。 Corazon 通りにあるからでしょう、店名は "Halo-Halo sa Corazon (コラソン通りのハロハロ)" そのままやん!

別腹にさえも、もう絶対に入らない! と思いきや・・・、ところがどっこい、ほぼ完食。 予想は、大きくはずれました。 見た目が一般的な Halo-Halo のイメージと違うように、お味の方も違います。 珍しく、甘さ控え目。 ヘビーな食事の後の口直しにはぴったり! あとくちはスッキリ! 爽やか! でした。

なるほど! 住宅地にまでこの味を求めて大勢のお客が集まる、その理由がわかるような気がしました。




corazon 5

■Halo-Halo sa Corazon
Corazon St., Nepo Subdivision, Angeles City, Pampanga




Pampanga フードトリップは、まだ続きます。



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* * * * *


《 あとがき 》

[Vol. 6 理想的キッチン] を投稿したあと、今回分の写真やテキストを少しずつ準備していたのですが、写真が揃い、あとはテキストを完成させるだけという段階で、Cory Aquino 元フィリピン大統領の訃報が飛び込んできました。 
偶然にも、今回の話題は Cory の本名 "Corazon" と同名の Halo Halo パーラー。 故人をネタにしているわけではありませんが、"Corazon" と聞くと、P国人は誰もが Cory を連想するはず。 (私でさえそうなのですから。)
さすがに喪中に投稿するには相応しいネタではないと判断し、フィリピン国内の喪があけるまで更新を見合わせることにしました。
ちなみに、スペイン語で "corazon" は ♥ (ハート)を意味します。

あらためて、Cory 元フィリピン大統領のご冥福をお祈りいたします。


  
Posted by harana at 03:15Comments(4)

July 30, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 6 理想的キッチン ]


bale dutung kitchen

《 Food Tour / Lunch Menu 》



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「キッチンにおいて、最も頻繁に使用される器具とは?」

電子レンジ? 冷蔵庫? ガス台? いえ、その答えは

「シンク」。 調理の準備と、後片付けの両方に使用されるから。
 

Bale Dutung の主、Claude Tayag 氏の著書 Food Tour の中の "Ideal Kitchen" と題されたエッセイは、こんな豆知識ではじまります。


理想的なキッチンとは、効率のよい作業空間である。 電気調理器具よりも、まずは広い作業台、そしてすべてのものが手の届く範囲内に配置されていること。 十分な光量と換気システムも、効果的な作業空間の重要な要素である、と氏は語っておられます。

ちなみに、こちらのお宅には合計4つのキッチンがあるそうです。 ベッドルームの数よりも多くキッチンを作りたかったのだとか。(???)

本の挿絵としても、ランチメニューの表紙にも使われている昔ながらの田舎風キッチンのイラスト(トップ写真)。 これは4つあるキッチンのひとつで、ダイニングエリアから続いていました。 実物は ↓



bale dutung kitchen 1

イラストと同じアングルで撮らなかったのが悔やまれるぅ〜


自然食器乾燥機 banguera (バンゲーラ → こちら) は、

伝統的フィリピン・キッチンのシンボルと言えるかも。



bale dutung kitchen 4

バナナの蕾を連想してしまいます。




bale dutung kitchen 6

Palayak (パラヨーク=素焼きの土鍋) も様々。



bale dutung kitchen 2

こういった道具も、雰囲気づくりの小道具ではなく、

昔ながらの方法で実際に使用されているのでしょう。



bale dutung kitchen 5

このキッチンでは、使用人の人達が大勢せっせと働いておられました。



このほかに、お二階の居住スペースには Tayag 氏専用のキッチンがありました。 ここでは、氏以外は誰もナイフ一本触れることは許されないとのこと。 アイデアに富んだ様々なお料理は、このキッチンで生み出されるのでしょうか?


同じく居住スペースのどこかに、冷めた料理を電子レンジで温めたりするファミリー用のキッチン、それからどの辺りに位置しているのか定かではありませんが、大人数のパーティーにも対応できるというステンレス製器具が整ったキッチン(おそらく近代的なシステムキッチンでは?と推測します)がこのお家には存在するのだそうです。


それぞれ目的別に4つもキッチンがあるなんて、これこそ正に「理想的キッチン」ではありませんか!



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ランチ のあとの「お宅拝見」も終わり、そろそろおいとますることに。

Pampanga フードトリップはまだ 続き ます。



  
Posted by harana at 14:30Comments(2)

July 21, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 5 FOR SALE ]


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「あなたが作っている我が家のビネガーやソースだけど、この際瓶詰めにして販売したらどうなのよ?」

ある朝突然、奥様の Mary Anne さんに言われたそうです。 「それは 『提案』 というよりも、むしろ 『命令』 に近いものであった」、と こちら に書かれています。(笑)


マルチアーティスト、Claude Tayag 氏のご自宅を開放した予約制レストラン、Bale Dutung には、ダイニングエリアから続く小部屋に物販コーナーが設けられています。 ここでは Tayag 氏の作品と思われる木製家具のほか、実際に ランチ のお料理にも使われていた手作りビネガー、ソース類が Calude'9 というブランド名で販売されています。






bale dutung 11


↑ には写っていませが、左側の棚には、ランチョンマット、

コースター等の布製品や木製小物も並んでいました。




bale dutung 16



オリジナルソースは人気があるようで、ケース買いしている人もいたほど。  フードフェアで既にいくつかゲットしていたものがあったので、これ以上瓶物は持ち帰るのが大変。 ソース類はあきらめて、 (↑右上の)Tayag 氏も登場する Food マガジン Pampanga 特集号と、実に使い易そうな木製のトングのみを購入。 トングは焼印で氏のネーム入り。 記念にと、 Food マガジンにはちゃっかりサインまでいただいちゃいました。


ビネガー、ソースを製品化するにあたっては、お役所相手に色々とこの国ならではのご苦労もあったようです。 その辺りの事情が以前にも紹介した こちら の本の中でコミカルに語られています。 Claude's Nightmare (Claude の悪夢)というタイトルなのですが、読み手にとっては爆笑ものでした。



mary ann
← ホールを仕切っておられる奥様の Mary Anne さん。 P国人には珍しいくらい超テキパキとした動きにはビックリ! (元 CA さんのようです。) 


Xtra Ordinary (XO) Chili Sauce (チリソース)、Pure Crab Fat paste (カニミソペースト)、 Inasal BBQ Marinade (バーベキューソース) がネット上で販売されているのを見つけました。 販売を担当されているのも、奥様のようです。









・・・ もう少しだけ、続き ます。 ・・・

  
Posted by harana at 15:57Comments(0)

July 14, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 4 アーティスティックなランチ ]


bale dutung 1



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ウエルカム・ドリンクから驚きの連続。


bale dutung 2

Dalandan (ダランダン)ジュース 》




お待ちかね、いよいよ Bale Dutung でのランチがスタートしました。


こちらの主、Claude Tayag 氏は、アーティストであると同時に、

フィリピン食革命(?)プロジェクト− "KULINARYA" の中心人物と

いうだけあって、次々と運ばれてくるお料理は、なんとも独創的。


典型的な Pampanga 料理、あるいはその素材のはずなのですが、

Tayag 氏の手にかかれば、フィリピン料理とは識別できないほど、

国籍を越えビジュアル的にも楽しめるアーティスティックなコース料理に。





まずは、アペタイザーから



bale dutung 3


◆クラッカーと特製(Claude'9)3種のオリエンタル・ソース [左]
Taba ng talangka (カニミソソース)/ Pesto(バジルソース)/
Balo Balo (米とエビを発酵させたもの)

◆ベジタブルサラダ [右]


*



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◆Ensaladang Pako [左]
(若い シダ のサラダ バルサミコ・ドレッシングで)

◆Piniritong Lumpiang Ubod w/pesto [右]
(レタスに包まれた椰子の新芽入り揚げ春巻き )


*



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◆Inasal na Manok at Talangka Rice [左]
(マリネードチキンのグリル & カニミソライス)

◆Puritong Hito, Ampalaya at Burong Hipon, Talangka Susi [右]
(小苦瓜に揚げたナマズと、発酵した米とエビをのせたもの & カニミソ寿司)


*



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◆Bulanglang Kapampangan [左]
(パンパンガ風グァバ風味の酸っぱいスープ)

◆Begucan Babi at Ensaladang Talong [右]
(エビ塩辛風味のポークシチュー、塩漬け卵、焼きナスのサラダ仕立て)


*



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◆Kare-kareng Lamang Dagat [左]
(シーフードのピーナッツソースシチュー)

◆同。 取り分ける前の盛り付け [右]


*



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◆Paradiso at Kapeng Barako
(パラダイスとネーミングされたデザートは、紫芋、さつま芋、ココナッツミートの
3色ボール、水牛のミルクで作ったソースで / バラココーヒー )



*


画像はありませんが、あとこれに Adobong Pugo(ウズラのアドボ)、

Tibok-Tibok(水牛ミルクのブラマンジェ)、Pandan(パンダン)アイスティー

と充分すぎるほど盛りだくさんなコースメニューでした。


* * * * *



見た目にも美しいお料理と、Tayag 氏の作品でもある数々のオブジェに囲まれた

アーティスティックなひととき。 この空間で過ごした数時間、一貫して感じたのは、

料理のクオリティーの高さだけではなく、料理とそれを食する人への心配りでした。



bale dutung 8



例えば、ウェルカムドリンク。 絞りたての Dalandan ジュースが注がれるグラスには、Muscovado シュガーで作った氷片が入れられていたり (↑写真上右)、カチンカチンに凍ったタオルが出てきたので不思議に思っていたら、それが溶ける頃にはグリルしたチキンを串からはずす、エビの殻を剥くという作業が待っていたり、又ほぼ同時に kamias(カミアス)入りのフィンガーボールまで登場(↑写真上左)。

すべてテーブルに運ばれてくるとばかり思っていたお料理が、途中からワゴンサービスになったり(↑写真下右)、エビ、ミルクフィッシュ、ポーク、野菜、と具沢山のスープ Bulanglang は、各自好きな具を好きなだけお皿に盛り、最後にスープを注いでもらうというハーフセルフサービススタイル(↑写真下左)、というように決してゲストを飽きさせることのない演出。 そしてそれぞれの料理、素材に対しては、その持ち味を尊重し、サーブするタイミングも逃さない。 ただ食事を提供するというだけでなく、すべてにおいて工夫と気配りが感じられ、あまりのいごごちのよさに、時間が経つもの忘れてしまうほどなのでした。 



・・・ 続く ・・・




只今諸事情により、更新が滞りがちです。
(ぶっちゃけ、ブログやってる場合じゃないんですぅ)

次の更新も、時間がかかるかもしれません。アシカラズ m(_ _)m
  
Posted by harana at 13:42Comments(4)

July 07, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 3 料理人はマルチアーティスト ]



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Lillian さんのお宅 をあとにして、次に向かったのは

Angeles city (アンへレス市) のとある一軒家。



tayag2

《 Bale Dutung (Wooden House) 》



手作り風の門をくぐると、


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自然と一体化したような、開放感のあるお宅が。



tayag4



こちらでも、予約に応じてご自宅をレストランとして開放されているのですが、

家の主は、画家、彫刻家、家具デザイナー、フードライターである、才能豊かな

アーチスト、Claude Tayag 氏。 (こちらこちら にも登場済み)

もちろん Pampanga を代表する料理人としても知られています。




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彼の作品が並ぶギャラリースペース



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* * * * *


ダイニングスペースには、 Lillian さんのお宅同様、


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お菓子作りのための木型がディスプレイされていました。


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Pampanga の食文化の一面に触れているようで、

だんだんテンションも高まってくると、




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《 Mr. Claude Tayag 》



ご本人も登場し、


いよいよマルチアーティストの手によるランチの始まりです。



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この先は、次回に


・・・ 続く ・・・

  
Posted by harana at 03:23Comments(0)

June 30, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 2 聖人のクッキー ]


san nicolas 1

《 San Nicolas Cookie Moulds 》


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Vol.1 に引き続き、 Lillian さんのクッキング・デモのレポートです。


lillian 6

《 Atching Lillian Mercado-Lising Borromeo 》




Lillian さんのキッチンには、先祖代々受け継いでこられたお菓子作りのための様々な木型が並んでいました。 


mould 1



mould 2



Pampanga 名物は、珍味だけでなく、伝統的スウィーツも見逃せません。

例えば、聖アウグスチノ修道会の修道士によって伝えられたという、聖人 ”San Nicolas Tolentino (聖ニコラス)” の名がついたクッキー ”San Nicolas Cookie (またの名を Pan de San Nicolas / Saniculas / Panecillos de San Nicolas)” が有名です。 このクッキー作りには、モチーフに聖ニコラスが彫られた木型が欠かせません。



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木型を使って San Nicolas Cookie のデモンストレーション



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型押し後、波型のカッターでトリミング



san nicolas 2

中央には聖ニコラスのレリーフ。 これをオーブンで焼きます。



San Nicolas Tolentino は、子供たち、特に病気の子供たちのの守護聖人とされています。 ある時、彼が病の床に伏していると、「パンを水に浸して食べよ」 というお告げがあり、それに従ったところ、回復したことから、以後彼は教会で人々にパンを配るようになったということです。 直訳すれば「聖ニコラスのパン」、「聖ニコラスの小さなパン」というようにも呼ばれていますが、実際にはクッキー(ビスケット)。 以前は、聖ニコラスを讃えるお祭りの日、9月10日だけのものだったということですが、現在 Pampanga では一年を通して食されるポピュラーなお菓子のひとつとなっています。



* * *


San Nicolas Cookie と同じ生地で、木型を別のものに変えると、またもうひとつスウィーツが出来あがりました。


mould 4

使用する木型はこれ。 かなり深く彫られています。 その訳は、薄い San Nicolas Cookie とは違い、中に具を入れるため。 具は、コンデンスミルクで煮た Kundol (冬瓜)。



こんな風になります。↓


Dulce Prenda

《 Dulce Prenda (La Naval Pastry / Hopiang Capampangan) 》



* * *



もう一品、出来上がりがとてもユニークなスウィーツを作っていただきました。



Ningnang Mais 1

絞り袋に入れたメレンゲを、バターを塗ったアルミホイルの上に絞り出すのですが、なんだか奇妙な模様です。 一直線にではなく、少しずつ絞っては乗せ、絞っては乗せ、といくつもの点を繋げるように絞り出します。 ツアーガイドさんからは、「ナーバスになってやれば勝手に手が震えて丁度いい」なんていうジョークも飛び出しました。




Ningnang Mais 2

絞り出したメレンゲをオーブンで焼き、焼きあがったら表を下にして置きます。 コーン入りのカスタードを乗せます。




Ningnang Mais 3

下に敷いたアルミホイルを利用して、メレンゲでカスタードを巻いていきます。




お見事!!


Ningnang Mais 4

《 Ningnang Mais (Grilled Corn / Brazo de la Reina) 》



奇妙な絞り出し方の理由が、やっとわかりました。




* * * * *


Pampanga フードツアー、第一の地点はこれでおしまい。



と、この回は 知らん顔してここまでで終わりとしたいところなのですが、

もしかして既にお気づきの方もおられるかもしれませんので、白状します。 

「San Nicolas Cookie の完成品画像がありません!」 m(_ _)m


なにしろ、同時進行で数点のデモが行われていて、撮影に大忙し。 

一番楽しみにしていたデモなのに、撮り損なうとは・・・、無念!




では、フードツアーは第二の地点へと移動します。


・・・ 続く ・・・



  
Posted by harana at 09:49Comments(2)

June 23, 2009

◇フィリピンのプロビンス、Pampanga (パンパンガ)州へ [ Vol. 1 クッキングデモ ]


lillian 1


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マズイ! マニラから戻って、いつの間にかひと月経ってる。

サワリ だけで、その後まともな投稿をしていませんでした。

いい加減に文字にしておかないと、忘れそう。 それでなくても

最近記憶力が鈍っているというのに。 大急ぎで、進めます。



* * * * *


さて、たった3日間の短いマニラ滞在でしたが、最終日には 「フィリピンの食の中心」、「優れた料理人が多い」 ということで知られる Pampanga (パンパンガ) まで足を延ばしてみました。 Pampanga は、メトロマニラと同じ 中部ルソン地方 (Central Luzon, Region III) に属します。 道路も整備されているし、渋滞に巻き込まれなければ、マニラから車で2時間弱程度。 とはいえ、日帰り旅行。 現地での予定が盛りだくさんなので、午前7時過ぎにホテルを出発。 


Pampanga に着いてまず最初のプログラム。 Mexico という町で伝統郷土料理の継承に尽力を注いておられる料理人、Lillian Mercado-Lising Borromeo さんのご自宅で催される朝食付き、クッキング・デモンストレーションに参加。



♪ 庭に用意されたブッフェスタイルの朝食 ♪


lillian 5


Pancit Bihon (焼きビーフン)、Tidtad Bigac (Pampanga バージョンの Dinuguan = 血で煮たポークシチュー)、Puto (蒸しパン)、Kutsinta (もち米のお菓子)、Tibok-Tibok (水牛のミルクで作ったブラマンジェ、Pampanga バージョンの Maja Blanca)、Suman (チマキ)、Ensaymada (バター、チーズたっぷりのブリオッシュ)、Tsokolate (ホットチョコレート)、 フルーツ、etc ・・・

う〜、食べきれない・・・



* * *


そこそこお腹を満たしたら、場所を移動してクッキングデモのスタートです。


lillian 2



先祖伝来の、アンティック家財や調理道具に囲まれたオールドキッチン。 中には百年以上経過したものもあるそうです。 ここで Pampanga 名物を披露していただきました。




lillian 4




* * *



まずはこれから


paksiw 1



Palayak (土鍋)でナス、Kangkong (空芯菜)、ニガウリ、Sibuyas Tagalog (小さいフィリピン赤タマネギ) ショウガ、ガーリックを、水、ブラウンシュガー、酢、塩とともにコトコト煮ています。



完成品です。


paksiw 2

《 Paksing Demonyo / Acharang Gulay 》


”Paksing Demonyo”、「悪魔の Paksiw (ビネガー煮)」という名をもつ、野菜のビネガー煮。 昔々、ある女性が魚の Paksiw を火にかけたままその場を離れると、いい匂いに惹かれた悪魔がやってきて、魚を食べてしまった。 困った彼女は、ありったけの野菜を加えて料理しなおしたところ、大変美味しい一品になった、というのが料理名の由来だそうです。


* * *


こちら に載せた思わせぶりの この物体 の完成図↓



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《 Betute / Deep Fried Stuffed Frogs 》


遠くからこわごわ下処理された原材料もカメラに納めましたがが、ここにアップするにはリサイズしなければなりません。 リサイズする=オリジナル画像を見なければならない。→ 無理です。 完成品が限界です。

詰め物は、ガーリック、タマネギ、塩、コショウ、レモン汁(または酢)、ポーク挽肉、細かく切った frog ミートも。

臭み消しのためでしょうか、こんな(↓)植物のみじん切りも入っています。



alagaw

《 Alagaw (premna odorata)》

シソに似た味がしました。




* * *



こちらも珍味だそうですぅ・・・

運良く(?)ピンボケです♪


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《 Arubong Camaru / Mole Cricket Adobo 》






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Camaru (日本語名で書きたくないので、正体を知りたい方は、英語名 Mole Cricket を辞書で引いてみてください) をガーリック、タマネギ、トマト、 酢、塩で香ばしく炒めたもの。



* * *


こちらは、今やフィリピン全土で超人気の Pampanga 料理


lillian sisig

《 Sisig 》


茹でたポーク頬肉を、Siling Labuyo (小さく辛い唐辛子)、Kalamansi (フィリピンレモン)、酢、砂糖、ガーリック、タマネギ、塩、コショウで味付け。 通常はソテーしますが、この時はすべてを混ぜ合わるという別バージョンが紹介されました。




珍味とはいえ、ちょっと苦手なものが続きましたが、

お楽しみはこれから。 次回は別腹用をお届けします。  


・・・ 続く ・・・


  
Posted by harana at 15:01Comments(4)