April 12, 2006

◇フィリピンの”パエリャ”

長い間フィリピンを統治したスペインは、料理においてもこの国に多くの影響を及ぼしました。
paella前回投稿した《フィリピン"MANILA"のスパニッシュレストラン》のように、本格的なスペイン料理が味わえるお店はさすがにたくさんありますが、家庭料理においては「フィリピン風」にアレンジされている傾向があるようです。

では、スペイン料理の代表選手、「パエリャ」は、どのようにフィリピンの家庭に溶け込んでいるかというと------ ARROZ VALENCIANA(アロス・バレンシアナ)、BRINGE(ブリンへ)でしょうか。FIESTA(フィエスタ=お祭り)の時に登場する、”ハレ”の日の料理のひとつです。

BRINGE は、ココナッツミルクを使用するというのがほぼお決まり。 ARROZ VALENCIANA にいたっては、レシピは様々。シーフードをメインとしたもの、ミートをメインとしたもの、味付けはトマトソースもあれば、ココナッツミルクもあったり・・・。 
平均的な"ARROZ VALENCIANA"は、やはりミートがメインでしょう。メイン材料はチキン、そして忘れてならないのは、サラミのような CHOIZO DE BILBAO(チョリソー・デ・ビルバオ / BILBAO とスペインの地名がついているにもかかわらず、ご当地BILBAO には同じものが無いとか、有るとか・・・・。)
一旦炊いたもち米(MALAGKIT=マラキット)を具と炒めあわせること、そして最後にレーズンを入れるのも特徴。
「もち米」とはいえ、フィリピンのもち米は日本のものほどもっちりしていません。それでも一応もち米、ARROZ VALENCIANA は、さしずめ 洋風「おこわ」ってところでしょうか。

残念ながら、PC にARROZ VALENCIANA の写真がありません。(上の写真は、パエリャ型マグネット。でもお米とエビは本物。)

しょーがないなー。せっかくここまできましたが、写真がないので脱線することにします。(計画的犯行だったりして。)

せっかくなので、パエリャ発祥の地、"VALENCIA" について少々。(まったく無関係というわけではないので、いいかなって)

      VALENCIA 1

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               ■  □  ■

母なるスペイン、パエリャ発祥の地”バレンシア”。肥沃な土地を利用した果物やお米の一大穀倉地帯です。
ところで、バレンシアの「お米博物館」なるものをご存知ですか?(実はこれが言いたかったりして)
現地名は、 MUSEO DEL ARROZ(ムセオ・デル・アロス)。バレンシアならではの博物館ですが、何故かそれほどメジャーではありません。 

2年前にバレンシアに行くのに、情報収集しようとネットでウロウロしていたら、たまたま現地サイトで見つけました。 面白そうだし、詳しく知りたかったので日本語で紹介されているサイトを探しましたが一切みつかりませんでした。(今はあるかもしれませんが)

さっき見つけたのは現地の【公式サイト】 (すごい、こんなのができてる。2年前にはなかったはずよ・・・)

当時、住所から現地サイトでアクセス方法を調べてみると、街の中心地からはかなり離れている様子、なんと! ロケーションはビーチのそば。Mediterranea! 地中海! 益々面白そう! 帰りに冬のビーチに寄るのもいいな。 地下鉄と路面電車を乗り継ぎ、行ってきました

とっても辺ぴそうな、少なくても観光客は訪れそうにもない場所にありました。路地みたいなところを入っていって。
建物は古めかしく、入り口の扉は厚くて頑丈そう。よくこんな場所に博物館なんか作ったな、と思っていたら、昔はそこが精米工場 兼 倉庫だったらしいのです。

入場者はどうやら私一人。館内スタッフは若い男性と女性の2人だけ。彼らの片言の英語と、私の片言にも及ばないスペイン語でのコミュニケーション。どうやら「エレベーターで最上階まで上がって、上から順番に見て降りてきてください」と言ってるみたい。

途中で何度か様子をみにきてくれて、知っている限りと思われる英単語を使って一生懸命説明してくれました。(言葉より、製造過程そのものが私には?だったけど)

MUSEO DEL ARROZ2

公式サイトの MUSEO のページの左側、"Proceso del arroz" にこれよりもっとはっきりとした工程写真が掲載されています。 その下の《Siguiente(次へ)》、《Anterior(前へ)》をクリックすると、写真が変わります。

MUSEO DEL ARROZ1元の場所に着いた頃、英語の説明書がみつかったと、手渡してくれました。 
GRACIAS, MARIA Y MARIO!
結局通じた私のスペイン語は¿Cómo se llama? だけだったのかも(あってるのでしょうか???)
勉強しなきゃ、スペインを旅するなら。

1階に降りてくると、この建物の模型がディスプレイされています。(←)
これをみて、やっと仕組みがわかったような気がします。
ようするに、作業過程は上の階から、順に階下へとお米を移動させていくということらしいです。

もらった英文の説明書によると:
運び込まれたお米は、エレベーターで3階(日本の4階)に上げられ、ふるいにかけられたあと、 土、石、藁などと仕分けられ、お米は1階(日本の2階)のタンクに。
・・・・あとは複雑すぎて、???? 各階毎の作業内容が書かれてはいますが、今日はもう GIVE UP! します。




          ★ ☆ ★ ☆ ★

   VALENCIA 2b

帰りは名前につられて入った海辺のレストラン LUZ DE LUNA (=「月の灯り」 ロマンティックな名前です)で遅めのランチ。 「2人前からです」と言われて「わかってるわよぉ」とひとりでオーダーしたパエリャ。(これがフィリピンなら、残ったものはドギーバッグに入れてもらって、テイクアウトするのに。)
一緒にオーダーしたイワシが最高だった・・・。

   VALENCIA 4

結局、スペインに行く度にパエリャにトライして、 MADRID, BALCELONA, MARBELLA, VALENCIA で食べてみたけれど、一番美味しかったのは BALCELONA の ”7 PORTES” のものでした。2日連続で通ったくらい。
(「モチ米」のパエリャには、お目にかかりませんでした。やっぱりフィリピンだけか。)


スペインを歩いていると、ほんの一瞬、フィリピンにいるような錯覚を覚えることがありますね。(あっ、逆さまかな? 「フィリピンを歩いていると、スペインにいるような・・・」が正解?)
   VALENCIA 3

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この記事へのコメント
3
Haranaさん、ごぶさたしています。
スペイン紀行、楽しく読ませていただきました。
フィリピンにいればいるほど、スペインの影響を強く感じるようになりますね。「スペインはラテン」という言葉、そのとおりだな、と最近感じるようになりました。
Valenciaとは、パエリアの発祥の地だったんですか!
ビサヤにいる私にとっては、Valenciaというと、バスターミナル等で売っている、ビニール袋に入った黄色のおこわです。
パエリアのフィリピン化した姿だったんですね。
また、プトとかポトという名の、赤飯そっくりの外観のおこわもあります。Haranaさんは召し上がったことありますか?
Posted by SHIN at April 20, 2006 16:38
shin さん、こちらこそご無沙汰しています。 お元気でしたか?
いつも貴重な情報ありがとうございます。
えらっそうにこんなブログを運営していますが、やはり現地在住の方々の生活に密着した情報にはかないません。これからも、ビサヤ地方らしい情報、コメントお待ちしています。

ところで、ポトとは何ですか?聞いた事ありません。スペルは poto ?
puto がなまって poto ですか?
フィリピンの言葉って、地方によって母音がいい加減なことありますよね。
特に <e> と <i>、それから <a> と <o>
「ババエ」って聞こえたり、「ババイ」って聞こえたり。
「ロンガニーサ」だったり、「ロンゴニーサ」だったり・・・・。

スペイン紀行もお楽しみいただけて、光栄です。
時々脱線したいです。あとイタリアなんかも。(結局、ラテン系ばっか?)
Posted by harana at April 20, 2006 21:03