July 30, 2006

◇フィリピンの”バイオリニスト”

昨日は千里の万博記念公園で催された野外ライブ、「情熱大陸 SPECIAL LIVE」に行ってきました。
葉加瀬太郎”をコンダクターにして、番組に登場したミュージシャンを中心に様々なジャンルの音楽を聴きながら真夏の一日を楽しもうというイベント。
オープニングは、雨模様。途中どしゃ降り寸前まで雨にやられましたが、3番手に現れ、「私は晴れ女」と断言した”元ちとせ”ちゃんのおかげか、彼女のステージが終わる頃にはすっかり雨もあがり、夏空の下、イベントの趣旨通りの楽しい一日を過ごしました。

”佐藤竹善”、”押尾コータロー”、”アンジェラ・アキ”、”藤井フミヤ”、”ゴスペラッツ”・・・と、実力派ミュージシャンが続々登場。
そんな中、金髪に染めたロンゲを振り乱し、バイオリンを弾く怪しげな人物が。「彼は誰?」 初めて知りました。アイリッシュ・フィドラー”、功刀丈弘(クヌギ・タケヒロ)”というのだそうで。 ”功刀丈弘&Abyss of time”というバンドでの参加でした。

彼と”葉加瀬太郎”のバイオリンセッションは見ものでした。 二人の演奏を観ていて(聴いていて)、「フィリピンにも、二人に負けない実力派バイオリニストがいるんだから!(ルックスでは、絶対に勝ってるぞ)」とひとり心の中で叫んだ私でした。

フィリピーノ・バイオリニスト、JAY CAYUCA。1993年1月、PICC(PHILIPPINE INTERNATIONAL CONVENTION CENTER)のステージでした、彼のパフォーマンスに出会ったのは。
衝撃的!!でした。 鳥肌ものでした。
ほぼ最後列あたりにいたので、彼の顔など見えません。が、アップテンポの曲になるとあの広いステージを端から端まで動きまわり、いえ踊りながら、時にはジャンプしながら一分の乱れもなくバイオリンを演奏する姿は、ステージから遠く離れた席からもはっきりとわかりました。

彼のバイオリンの演奏には、PASSION を感じます。「メロウな曲を奏でさせたら、彼の右にでる者はいない」これは私の独断と偏見以外の何物でもありませんが、そこまで思わせるほど彼の奏でるバイオリンの音色は独特で、とてもロマンティックなのです。

日本人にも OPM はポピュラーになってきていますが、やはりその中心はシンガー。 なので、彼の名をご存知の方は少ない(いない?)でしょうが、フィリピンのミュージック界では、かなり名の知れた人物です。

CD JAYKUH LEDESMA にその実力を認められ、KUH、APO HIKING SOCIETY をはじめとする大御所ミュージシャンがリリースする多くのアルバムやセッションに参加してきました。

彼自身のアルバム(←)の1曲目《SINO ANG BALIW》は、確か KUH LEDESMA に勧められレパートリーとしたはずです。(KUH 自身のレパートリーでもある)
この曲で、彼は1995年、KATHA's music awards の 「ベスト・インストゥルメンタル パフォーマンス賞」を受賞しています。


彼自身のアルバムはこの一枚だけですが、大御所の作品をこれこそ有名アーティストが奏でる作品集にもソロで参加しています。


CD GARY有名アーティストによるGARY VALENCIANO の作品集
BEYOND WORDS, THE MUSIC OF GARY V

GARY 自身の歌は入っていません。 JAY CAYUCA のほか、EDDIE KATINDIG(Vibes, Perccussion)、TOTS TOLENTINO(Soprano Sax)などすべてフィリピンを代表するインストゥルメンタリストが GARY の作品を演奏しています。
(余談ですが、TOTS TOLENTINO は、私の記憶が正しければ、われらが日野照正に認められ、彼のアメリカ公演に同行した経歴があります。)

JAY CAYUCA は、このアルバムの1曲目を飾り、演奏曲 "TAKE ME OUT OF THE DARK" で2004年、The 17th AWIT Awards の「ベスト・インストゥルメンタル パフォーマンス賞」を受賞しています。

2曲目の RENATO LUCAS(cello) が演奏する GARY の代表曲《SANA MAULIT MULI》は、JAY CAYUCA 自身のアルバムの9曲目にも収録されています。



CD CAYABYABフィリピン音楽界の巨匠、作曲家、RYAN CAYABYABの作品をこれまた超有名アーティストが歌い演奏した作品集。
THE SILVER ALBUM

LEA SALONGAGRACE NONO、KUH LEDESMA、CELESTE LEGASPI、APO HIKING SOCIETY・・・、といった超大物と肩を並べ、JAY CAYUCA も 《ONCE UPON A LIFE》 でこのアルバムに参加しています。



少しカールのかかったロングヘアーと、左耳のピアスが若い頃のJAY のトレードマークでした。L.O.C.(LEAGUE OF CAYUKS)を率いていた数年前は、長かった髪を切って凛々しいヘアースタイルで演奏していましたが、最近また、元のヘアースタイルに戻したようです。やっぱり彼にはロングヘアーが良く似合う(「ロンゲ」などいう言い方は彼には似合いません)。ミュージシャンはいくつになっても、ああでなくっちゃ。
いつまでも少年のような目と心を持ったJAY には、彼が尊敬してやまないバイオリンの巨匠、故 STEPHANE GRAPPELLI のように、いくつになっても彼自身のバイオリンを好きなように引き続けていてもらいたい、そう願います。
 

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