March 18, 2013
◇どちらがお好み? フィリピンの外食ガイドブック

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マニラのショッピングモールに行くと、お洒落なブティックはガラガラでも、飲食店は満員、という光景をよく目にします。 その度に、P国で成功するビジネスは飲食しかないのか!? とやや確信に近いものを感じたりしてしまいます。(笑)
ましてやこのところ(って、もうかれこれ数年前から言ってるけど)、特に Bonifacio 辺りにはスタイリッシュで高級感の漂う今時のレストランが次々とオープン。 あんな価格帯で誰が行くの? と突っ込みたくなるけど、流行っているみたいですね。
あまりにも新規オープン店が続出しているので、まったくついていけませ〜ん。(>_<)
では、最近入手した対照的なガイドブック2冊をご紹介します。
まずはこちらから ↓

■Eat Out Now!
115 Manila Restaurants We Love
著者:Alicia Sy
発行:Summit Books
ISBN: 9719902183
マニラに限定し、著者とその仲間達のお気に入りレストラン115軒を紹介したモダンなガイドブック。 どちらかというと、「ファイン・ダイニング」、「カジュアル・ダイニング」 のカテゴリーに属するような、インテリアにも食器・盛り付けにも凝ったチョットお高めで、外国人や現地のセレブ層に好まれそうなハイエンドなお店が中心。
このうち何軒が生き残れるのかなぁ? 気になるところです。(笑)
編集者でもあり、フードコラムリストでもある著者を中心に、現地のネット上ではよく知られた6名の食通達が編集に協力しています。 また食通達はそれぞれエッセイも寄稿しています。

目次からもうお洒落っぽさが漂っています。

言われなければ、P国のガイドブックだとはわからないかも。
全体的にあか抜けた編集で、店内の写真、お料理の写真がどれも奇麗なので、すべて高級レストランのような印象を受けてしまいますが、リーズナブルなお店も掲載されているのでご心配なく。
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お次はこちら ↓

■Linamnam
Eating One's Way Around the Philippines
著者:Claude Tayag and Mary Ann Quioc
発行:Anvil Publishing Inc. (2012)
ISBN : 9712726401
前出の ”Eat Out Now!” がセレブ系であるのに相反して、こちらは『超』庶民的。 著者は、当ブログでは何度も登場している料理人でもあり、マルチアーティストでもある Claude Tayag 氏 と奥様の Mary Anne さん。 レストランガイドの域をはるかに超えていて、「トラベル&フードガイドブック」 と呼ぶ方がふさわしいかも。
見たことも聞いたこともないような料理をはじめ、地域別にマイナーなものからメジャーなものまでP国中の食が網羅されています。 更に、レストランの紹介に終わらず、市場の Carinderia (カリンデリア=市場や道路脇の屋台風食堂) でテイクアウトもできるようなおかずまで、とかなりディープ。 「全国日常食図鑑」と呼びたいくらい。 ウィークエンドマーケットについての記述もあります。

扉からして、いかにも庶民的でエネルギッシュ

写真はほとんどが料理のみ、それも迫力あるアップ画像
後半は House Specialties と題して、Pancit (パンシット=麺類)、Longganisa (ロンガにニーサ=フィリピンソーセージ)、 Tamales (タマレス=フィリピン風チマキ)、 Okoy (オコイ=フィリピン風かき揚げ)、Bottles Goodness (瓶詰調味料) に特化。 国中のありとあらゆる Pacit が、ありとあらゆる Longganisa が (・・・以下同文) 解説文と画像でこれでもか、これでもかと紹介されています。
例えば Longganisa

暖簾のように地面近くまで吊るされた Longganisa が圧巻の、何軒も連なるロンガニーサ屋台の写真が見開きページからはじまって、こういう(↑)ページが延々続きます。 数えてみたら30種類以上の Longganisa が掲載されていました。
最後は著者のエッセイ集。 こちらも必見です。
この厚さに注目!

総ページ数は300ページ強。 この中に膨大な量のデータが詰まっています。
後になりましたが、タイトルの "Linamnam" とは、「味覚」とか「風味」、「旨味」などを表す現地語なのですが、全く同じ意味合いを持つ単語は英語にはないので、ダイレクトには訳せないそうです。
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裏表紙も2冊を比べると随分イメージが違いますね。
さて、あなたはどちらのタイプがお好み???
(★ 現在、Linamnam のみ Amazon USA でヒットします。 → ★
ところで、スタンダード・チャータード銀行がこのほど、フィリピンの経済が今後も順調な成長を見せ、他のアジア諸国よりも発展するとの見解を示した、と報じられています。 更に、同行はフィリピンのGDP成長率が今年は5.8%にまで伸び、来年には6.1%の伸びを見せると予測しているとか。 過去数年の間、現地を訪れる度に肌にビンビンと感じていたこの発展の予感。 この現象に比例して、新しいレストランがまだまだ増え続けるのでしょうね。 ってことは、いくらレストランガイドが出版されても、追いつかないってこと!? 次はどんなレストランガイドが出版されるのやら。 楽しみです。
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