October 01, 2014
◇フィリピンの伝統織物を見に行こう [後編]

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《 ◇フィリピンの伝統織物を見に行こう [前編] 》 の続きです。
ナショナル・ミュージアムでは、"Hibla ng Lahing Filipino: The Artistry of Philippine Textiles" と題したテキスタイルギャラリーにP国各地方に伝わる手織物が展示されていますが、完成品の布や民族衣装同様、あるいはそれ以上に大きくスポットがあてられているのが、織物を生み出す機織り機。

広い空間を活かし、展示される機織り機たち
地方によって、織る布の種類によって、使用する機織り機自体が違うようですね。 そのあたりの事もこのギャラリーで学ぶことができます。

《 Backloom と Footloom の分布図 》
Back Loom/Backstrap Loom は、日本語では 「腰機 (こしばた)」 または 「バックストラップ織機」 と呼ばれ、織り手の腰に経糸を張るためのベルトを巻いて、床に座って作業するタイプ。



製作中の布が違うだけのようにみえますが、よーく見るとそれぞれの機織り機自体が部分的に異なっていたりします。
実際の機織り作業の様子 ↓ (Manila FAME にて)

ミンダナオ島の少数民族 T'boli 族に伝わる T'nalak 織り
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一方の Foot Loom/Pedal Loom は、「足踏織機」、「高機 (たかばた)」 と呼ばれ、床に置いた織機をペダル (踏み板) によって操作するタイプ。


Foot Loom も部分的に違いがあるようです。 ↓

Ilocos Sur 州、Vigan の Foot Loom

Ilocos Sur とはお隣の La Union 州、Bangar の Foot Loom
素人目には、その違いはよくわかりませんが (^ ^:
実際の機織り作業の様子 ↓ (Manila FAME にて)

Ilocos Sur 州 の Abel 織り

Aklan 州、 Kalibo の Piña 織り
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織機だけでは機織りはできません。 糸がなければ (^ ^;

糸の素材分布図
綿、靭皮 (植物の茎の形成層の外方にある繊維)、パイナップルの葉、アバカ、シルク、樹皮 etc. 自然の素材が利用されます。
染色だって、自然素材から

素材別カラーチャートが展示されていました。
P国らしい素材を中心にいくつかピックアップしてみます。
・Achuete (ベニノキ) :ライトオレンジ、ブラウン系オレンジ、イエロー系オレンジ
・Banaba (バナバ): ブラック、グレイ、ブラウン
・duhat (ドゥハット): ライトブラウン、チョコレートブラウン、ブラウン
・Ipil-Ipil (ギンネム) : パープル、ピンクキッシュグレイ、ブラウン、ライトマロン、カーキ
・kamachile (カマチリ) : ライトブラウン、ブラウン
・gumamela (ハイビスカス) スカイブルー、グレー
・Indigo (インディゴ) : ライトブルー、ブルー、濃紺、グレイ系ブルー
・Kogon (イネ科チガヤ): ライトイエロー、ベージュ、ブラウン
・Langka (ジャックフルーツ/パラミツ): イエロー
・Luyang Ligaw (直訳すると野生の生姜→ウコン): イエロー、ゴールデンイエロー、イエローオレンジ
・Malunggay (モリンガ): ライトイエロー
・Gumamela (ハイビスカス): スカイブルー、グレー
・Niyog (ココヤシ) : マロン、イエロー系ブラウン、ピンキッシュブラウン、ライトブラウン、
・Noni(ノニ): ピーチ、ピンク、バイオレット、
・Sampalok (タマリンド): ブラウン系レッド、ベージュ、ピンク、
巧みな技と自然が織りなすフィリピン伝統織物の世界、是非覗いてみてください。
なかなか得るところの多い、お勉強になるギャラリーでした。 おススメです。 (^ ^)v
・・・ 《 ◇フィリピン国立博物館 》 に続きます ・・・
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