March 05, 2015
◇フィリピンの伝統織物 "Abel (アベル)"

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
《◇フィリピンの伝統織物を見に行こう 「前編」・「後編」》 や 《◇ フィリピンのトレード・ショー、 "MANILA FAME 2014/03" <1>・<2> 》 でも紹介したように、フィリピン各地方にはそれぞれ古くから伝わる手織物があります。
これまで当ブログでは、「フィリピンファブリックの女王」 とも呼ばれるパイナップル繊維を織ったピーニャに注目しがちだったのですが、最近になってユニークな手法を用いた手織布に気づきました。
イロコス地方の Abel 織りの機織り機です。

実は、この画像は 《◇ フィリピンのトレード・ショー、 "MANILA FAME 2014/03" <2>》 にも登場しています。
製作中の柄に気をとられて気づかなかったのですが、

今回注目したいのはこちら、織り手の手元とは反対側です。

こんな画像までアップしていたのに、気づきませんでした (^ ^;
何を言いたいかというと、この織物は 「二人一組」 になって織っていたのです。 それも素人目には、かなり複雑な作業なのです。 この事実に気づいたのは前回 のトレード・ショー、 "MANILA FAME (2014/10) 開催中でした。

それは、Abel 織りがディスプレイされたあるブースの前を通りかかった時、
こんなデモンストレーションが!!!
↓
目の前の光景にしばらく見入ってしまいました。
左側の織り手の動きに合わせて、右側の人も複雑な動きをしています。 いったい何がどうなっているのやら????
左側の人は両手だけでなく、両足でペダルも踏み (ま、これはよくあるスタイルですけど)、時折右手で丸いハンドルも回しています。 この一連の動きは、何度再生しても複雑過ぎて、理解できません (^ ^; この織り機を操れる人は、きっと頭の中にある種のコンピューターを備えているのでしょうね。
この織り方の仕組みを知りたくて何度かググってみましたが、今のところまだ見つかっていません。 不思議なことに Abel Weaving で検索しヒットする画像には、織り手は一人しかいないのです。 図柄によって一人になったり二人になったりするのかな? と勝手に想像している次第です。
Abel の素材はコットン。 Galleon 貿易時代、輸出用として随分取引されたようです。 丈夫で耐久性があることから、帆布としても重宝されたとか。
現在はブランケット、ベッドカバー、ピローケース、テーブルランナー、タオル等の日常品が主に市場にでまわっていますが、トレードショーではこんな製品も出展されていました。
↓

ランプシェード

椅子カバー
* * *

《 Manila FAME 2014/10 》
次回の Manila FAME は、2015/03/13-16 です。 テキスタイルの部門は、毎回趣向を凝らした展示方法がとられています。 さて、次回はどんな展開になるのでしょう。
* * *

■HABI: A Journey Through Philippine Handwoven Textiles
フィリピン各地で継承されてきた手織物を網羅した貴重な一冊。
表紙に起用されているのは、Abel 織りブランケット。
当ネットショップ にて販売中。 こちらからどうぞ → ★
数に限りがありますので、売り切れの場合は、ご容赦ください。
詳細はブログにも投稿 → ★
* * * * *



本日も "ポチッ" よろしくお願いします。 m(_ _)m

↑ フィリピン料理モドキや、フィリピン食材を使ったレシピを投稿